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12) 聖地新宿
2007-04-21 Sat 03:14
GBr
11) Platonic...... からの続きです





親を選べず 名を選べずに

この世に落ちた


生を謳歌出来る時間も知らされず

風だけは吹きつける




帆を張るチカラを蓄えた時

そのチカラを試さずにはいられない

自分にしか解らない出航の時間が来たとき

吹き付ける風を利用して

恐れや不安を打ち負かし 威風堂々出帆してみせる


生を受けた土地を離れ 自分探しの旅に出る








親を選べず 名を選べず

場所を選べず 落ちた者たちが

許された時間も知らぬまま

死に場所だけでも選ぼうとする






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東京に行けば 何かがあると思った

摩天楼を懐に擁する 新宿都心は
俺を強力に魅きつけた

漠然としたイメージの中にも
一つだけ確信があった

地元九州では 決して手に入らないもの
ソレが何か説明は出来ないが
しかし ソレに手が届く可能性がある
という確信だった

昨日までの田舎者に
瞬時で 膨大な夢と欲と野心さえをも
芽生えさせてしまう魔の街 夢の街新宿

新宿の地に立ちたい
立って 両方の眼(まなこ)で歩くべき方向を見定めたい
その思いに駆られ 聖地新宿の森に足を踏み入れた






















東京に来て 真っ先に向かった地は
東洋一の歓楽街 新宿歌舞伎町

俺は ほっとした
あらゆる人種を受け入れ 丸呑みしてくれる街が
そんなにはない事を知っていたからだ

この街に 入る者を 出る者を 咎める力など
誰も持ち合わせてなんかいやしない事が
ハッキリとわかった

あまりの巨大さに 誰も実態を掴めず
収拾がつかなく 完全に麻痺している

麻痺した街は
安息を味わうに相応し過ぎた籠であった






欲望剥き出しの この街の正直さを好きだと感じた
金にならない人間に対する無関心さが 露骨で気にいった
普段の昼の仮面を剥ぎ取ってしまう魔力も
とても小気味よかった

欲するモノが何なのかが ハッキリさえしていれば
必ず手に入れられる 街であると信じ
俺は 歌舞伎町にきた
確信から確証へと変わるのに
そんなに年月は要さなかった

匂いでわかる ニオイで・・・
何も持たない者が 生きていく為に
絶対的な信頼がおけるのが
他でもない 嗅覚

理屈抜きで 最大の指標軸となり
しかも この嗅覚こそが
自分の身を守る 最大のレーダーであることを
人類が二足歩行をするくらい自然に会得していた












歌舞伎町以外に
もうひとつ行ってみたい場所があった・・・

歌舞伎町から さほど離れていないところに位置する
日本一のゲイタウン 新宿二丁目

一歩 足を踏み入れただけで
今までに味わったことのない感覚に魅了された
まるで 異国の地だった
誰ひとりとして 自分の事を知る者はいない
過去や経歴 他人の目を気にしなくていい
自分に正面から向き合う事への障壁は取り払われた

単身上京し
聖地新宿を目指した俺の所持金
僅か5000円
当時 21


自分を探し 居場所を求め
誘惑と欲望に翻弄されながら
ネオンの街を歩く21の俺がいた














新宿二丁目は 足を踏み入れただけで簡単にトリップできた

ここはゲイの聖地であり 普通にゲイが往来出来る街

自然と足が加速する

角を曲がったら・・・

階段を降りたら・・・

もっと先には・・・

何があるのか確かめずにはいられなかった

見るもの全てが初めてで
俺の眼は 好奇と期待でギラギラしていた

あちらこちらにいる 同類の個体たち

聖地に踏み入ることで確かめたかった
自分が何を求め 欲っするようになるのかを

21の個体に 声が掛かるのは
この街では至極当然の出来事だった

人慣付こい笑顔と手慣れた誘いに乗った

心は躍動した
何でも思い通りに
いや期待以上に事が進んだ

日替わりで一夜限りの男の家や
ホテルを泊まり歩いた

所持金が減らなかった
減るどころか増える事さえあった
毎日が新鮮で冒険で とても楽しかった


だが 職も住まいもない生活は
長く続くはずもなく

気がつくと 所持金がコインだけになっていた

俺は 札の見当たらない財布から
九州から上京する時に持ってきた
数字だけが並ぶ 一枚のメモを取り出した

























18の時 俺はプールバーでバイトをしていた
その店に 俺を目当てで毎日のように立ち寄る一人の女性客がいた
俺に好意を抱いてくれている事は
店に初めて来た別の客から指摘されるほどあからさまであった

しかし俺には客 ましてや女性には興味はなかった

当時 テレビの中では男性歌手らの間でピアスが流行していた
俺も感化されピアスをあけた

これが 後に運命を左右する事となる




山室はバレンタインの日にチョコを用意して
いつものように店に来た
山室は言いずらそうに 怒らないでねと念を押し
俺に質問した

「ゲイなの?」

顔から 血の気が引いていく感覚がわかった

素知らぬ顔を用意して

「どうして?」

山室は答えた

「だって ピアス右耳にあけてるから」


俺は知らなかったのだ
右と左に意味があったことなど
山室の話を聞いて 俺は初めて知った

「そっか みんな左にしてるから逆にしてみたただけなんだ」

と正直に話したものの
俺の声は 弱々しく 動揺は隠せなかった

山室はくすぐったそうに笑いながら

「まっどっちでもいいんだけどね~ ヒロちゃんのファンだから」

と言ってくれ グラスを空けた





三月に入って
山室はいつもの席に座ったが
珍しくアルコールを注文しなかった

ビリヤードを教えて欲しいとせがんでみせた

テーブルで球を突きながらの会話の中で山室が言った
東京に就職が決まり保谷市というところに移り住むと
山室は続けた

「もうここには来れない 明日発つから・・・
 もしも 東京に来ることがあれば 必ず連絡してね」

見慣れない市外局番から始まる 電話番号を渡された

































二丁目の公衆電話にテレカを挿入し
コインしか入っていない財布から
取り出したメモの番号を押した

翌日の昼過ぎ 俺は保谷市で目を覚ました
テーブルの上には 置き手紙が あった

[ チンして食べてね 19時には戻ります ]

山室にメモを渡されてから 三年近い歳月が経っていた




















13) 死にゆく純心 生まれくる邪心 】 へ続く

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<<11) Platonic...... | 新宿タワー~ゲイとノンケと時々オンナ~ | 13) 死にゆく純心 生まれくる邪心>>
この記事のコメント
3年が 1ページに…
かなりの 足早ですね…
最近の 事細かな 描写を思うと
ここは あらすじ でいいのかな?
序章ですもんね★ いちいち コメントして
悪いっすね★ なんか 感じたら 言いたい
でしゃばりな性質で…
2006-11-17 Fri 14:53 | URL | たく☆ #-[ 内容変更]
性質
進んでは戻り 進んでは戻り
まるで人生みたいやなw

でしゃばりは 俺も同じw
言いたい を 聴きたい

でしゃばり好きな性質で・・・

G@TEN
2006-11-18 Sat 03:14 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
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