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15) ノンケのバイト
2007-04-21 Sat 07:11
GBr
14) 分岐点 からの続きです





未知の物差しに触れ
自分の目盛りを微調整する

そんな事を繰り返し 目盛りの精度を高めていく

触れれば触れるほど 世界は広がるが

喜びは 同時に悲しみを
希望は 同時に挫折を
光は 同時に影を

といった具合に 両輪を引き取ることとなる


触れたくないものに近寄らない本能を携えて

触れたいものには 既に触れている





触れたものが 蜜であれ 毒であれ

そのどちらであるかを気にするのは

愚かなこと





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東京で 最初に職に就いたのは
歌舞伎町でも 二丁目でもなかった

嗅覚が
江東区のレジャー施設を選んだのだった

従業員の中には 似たような境遇で
今井を頼ってきた同類も何人かいた

環境は申し分なかった
支配人がゲイだということを一般採用された社員達は知らない
秘密を共有できてる 俺を含めた数名は
普通の社員よりも 目をかけられていた












この好環境な職場にも慣れてきた頃
友人のトオルも働く事となった

トオルは博多に居た時に知り合った子で
肉体の関係のない 数少ないゲイの友人だった

今井と新宿に居る時にバッタリ再会し
俺同様 今井の厚い好意で
一緒の職場で働くようになったのだった

今井以下 100名ほどが働く職場で
ゲイの数は1割もいた

数名だけがワケ知り(ゲイに通じてる)で
表向きには仮面をつけ仕事をこなし
裏では仮面を脱ぎ その秘密を共有するという
楽しい職場であった




それぞれの男性の好みはバラバラだった
俺の好みと こんなに違うものなのかとショックを受けた

今井は若く二枚目系の男が好きだった
トオルは男らしいスポーツマンタイプだ
ジャニーズ系のカワイイ子を好むものが数人と
この辺は頷けた 今でも王道だ

ショックを受けたのは
かなりのじいさんで且つヒゲオヤジ好き
全く別世界だと感じたのは
汚れのアザラシ級の大でぶを好むものがいたことだ

人それぞれなんだと ゲイと一言で言っても
多種多様なんだと思い知らされた













新たな環境と新たな仲間
糸の切れた凧は 地上に下りた

数奇な巡り逢わせを重ね
流れに身を任せる21の一期一会

足元にある大地に
喜びと感謝の気持ちと希望の足跡をつけながら
少しずつ 少しずつ 歩き始めた











休日前夜になると
今井に二丁目に飲みに連れて行ってもらう事が多々あった

今井はよく

「お前は飲まないから安上がりで済む」

と重宝がって 俺を連れて飲み歩いた

今井にとって
若い男を連れて歩く事で
周囲に対して優越感を感じるらしく

一度も一緒に寝たことなどないのに
カウンターに座る他の客に聞かせるようにして
「今日も一緒に寝ような」とか
「今日は体を洗ってやるぞ」などと
行きつけの店で 吹いてまわっていたものだ
憎めないキャラだった















22の誕生日の夜 今井はイイものを買ってやると言って
ある店に俺を連れて行ってくれた

階段を上がりドアを開けると店内は薄暗かった
何だか人が大勢いた

「いらっしゃいませー」

声がカラオケの音に負けていない

テーブル席に座ると直ぐに 注文もしていないのに
今井にビールが注がれた
このことで今井の常連振りがわかる
今井はビール以外飲まない ビール党だった

席に男性のママがついた

「いらっしゃ~い ユウジロウさん!」

ママは俺にも気付いているのに
いらっしゃいの言葉はかけてこなかった

「あらユウジロウさん ウチ以外でお買い物 !?
どこのお店の子?」

今井は大笑いし 俺の肩を叩きながら言った

「こいつはウチの社員だよ」

俺が他店の子でないことを知るとママは

「ようこそ~ いらっしゃいませぇ」

と初めて俺に声をかけてきた
最悪なママだっ













カウンターの中には
20人ほど男の子達が並んでいた
今井は言った

「あの中から好きなのを選べ 買ってやる」

ここはデートクラブだった 好みの男の子を
二時間の外出コースや泊りのコースで
指名できるシステムだという
先ほどママがどこのお店の子?と聞いたのは
俺を他店でカウンターに並ぶボーイだと思ったのだ

「お前のタイプはどれだ?」

どれだと言われても
カウンターに一列に並んでこちらに視線を送ってくる
彼らの顔など見れるわけがない
視線が恥ずかしくてたまらなかった
一刻も早く この場から立ち去りたいと思った

今井はこの店では新人喰いで通っていた
昨日今日に 入店したばかりの手付かず(初物)が条件らしい

「ママ 今日はこいつの誕生日だから イイ男をつけてやってくれよなっ」

待ってましたとばかりに ママは俺に重春を
今井には本日入店したばかりだという20歳のマコトを席につけた

重春は軽く会釈して 俺の隣に座った
ママ同様 俺を他店のデートボーイだと思っていたらしい

その俺が 今夜の指名客になると知って驚いていた
重春もこの時 俺と同じ22歳だった











ラブホテルのエレベーターを出る
今井とマコトは左へ
俺と重春は右へ
それぞれに別々の部屋で別々の夜を過ごすのだ




「お風呂にお湯いれますね」

重春はあの店で働き出して半年経つらしい
驚くほどカッコ良かった
顔の輪郭は彫刻のようで
目鼻立ちのスッとした精悍なイイ男だった

胸ポケットからタバコを取り出すと重春は
「たばこ吸ってもいいですか?」と聞いてきた
「全然いいですよ 敬語使わないでください」
と互いに敬語を使うくすぐったい二人の時間




「店ではタバコ禁止なんで
めちゃめちゃ吸いたかったんですよっ」

慣付っこい喋り方だった
煙をうまそうに吐く横顔に見とれてしまう

俺もタバコを取り出し 口にやると
すぐに手が伸びてきて火を点けてくれる
何気なくこなす気配りに 客であることを意識させられた

「ユウジロウさんと同じ職場なんですか?」
「うん」

朝を迎える前に 絶対に確かめておきたかったことを聞いてみた

「ユウジロウさんに指名されたことある?」
「ないですねー 新人喰いですよね~ 俺長いですからね~(笑)」

なくてホッとした・・・

先程から気になっていたもうひとつの質問をした
なぜ今井がユウジロウと呼ばれているのかだ

「歌 聞いた事ないんですか?
 あの人 石原裕次郎の歌メチャウマなんですよ」

吹き出してしまったことで緊張の糸が解れ
気持ちが楽になっていった 






「お湯 溜まりましたんで入りましょう」

重春は服をどんどん脱ぎながら誘導する

「恥ずかしいから先にどうぞ」というと
「何言ってんですかっ男同士じゃないですか
さっ一緒に入りましょうよ」と手を引っ張られた

「同い歳のお客さんは初めてです」

全身と髪までをも洗ってくれた
ノンケ(ストレート)の重春でも
ジジィよりは若い客のほうがが嬉しいと言う

俺は凄く恥ずかしかったが 重春の堂々さに照れも薄らいできた
お返しに重春の体と髪を洗うと
お客さんに洗ってもらうのは恐縮だと言うので
恐縮するのはこっちもだとシャワーをわざと顔面にかけてやった

重春はもうすぐ店を辞めるつもりだった
この事は店とユウジロウさんには内緒でと
俺たちは秘密を共有する

ジェットの泡に包まれながら
兄弟のように楽しく過ごせた時間は
誕生日のプレゼントとしては
俺にとって とても贅沢なものだった














16) MAN FISHING 】 へ続く


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この記事のコメント
読み進んでいくと 謎だった 部分が
明白に近づいてくる ワクワクする(笑)
重春くんとの出会い ユウジロウさん 
ほのぼのしますね どんどん読みますよ★
2006-11-19 Sun 12:49 | URL | たく☆ #-[ 内容変更]
To.たく☆さん
コメントをいただいて
半年経ってのレスになりますね ごめんなさい

書きながら 自身でもワクワクしています^^


G@TEN

2007-04-21 Sat 17:02 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
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