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25) 初出勤⇒歌舞伎町
2007-04-26 Thu 19:54
GBr
24) 臨時収入[107万円] からの続きです





何かが変わる時

心の中に 言い知れぬ風が吹く

不安の混じった 的のない期待感に

ココロが弾む


経験値を積んで

羽化をする その時を夢見て

糸を紡ぐ


若さとは その繰り返しだった気がする





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この日の目覚めは 頗るよかった
昨日の出来事の興奮が冷めやっていないのだ

枕元に置いておいたROLEXを手にとり
夢でなかった事を実感する

顔が自然にニヤケてくる
布団に潜り声を出して笑った

布団から出た俺は
コンポのボリュームを普段より少し大きめにあげ
鼻歌を口ずさむ
これから起こるであろう出来事への期待感が
声となって表れた
 
今日は記念すべき初出勤だ
自然と気合いが入る
シャワーを浴び 髪型をビシッと決めて
一番のお気に入りのシャツに袖を通し
上客向けの下着を穿き
ARAMISを軽く首元につける
ROLEXを腕に巻きつけ REGALのローファーに足を通し
鏡にを見る [完璧だっ]

玄関先からリモコンでコンポの電源を切り
テトラの泳ぐ水槽に餌を入れる

「もっと大きな水槽に引越しさせるから待ってろぉ」

一人呟いて 部屋を出た









向かった先は携帯ショップ
世間ではPHSが廃れて 携帯電話が主流になっていた
この稼業をやるには 移動通信機器は必須アイテムだった

昨日 銀座の街頭のゴミ箱に棄てた為
新たな移動通信機器を買おうと店に入った

ズラリと並ぶ製品群
機能や性能を確かめもせず デザインだけで
迷わず最新機種を購入した

駅前の喫茶店に入り 真新しい携帯に電話番号の登録をおこなう
紙のアドレス帳を見ながら真っ先に母親の住む実家を登録し
次にトオルと上司と同僚 そして職場の番号 

ここからはシークレットモードだ
和紙製の名刺に書かれた 押尾太の番号と
カードに印刷された 店の番号
全部で10件ほどだろうか 登録し終え
電車に乗り込み 新宿へと向かう

PHSに入っていたのは ほとんどが客だった
リピートして欲しい客なんか一人もいやしなかった
...いや一人だけいる[宮里武]
財布から宮里の名刺を取り出し 携帯に登録する
登録したての宮里に電話をかけてみる 恐らく同じ結果だろう
そう思いつつも 出ることを願い受話音量を上げた
数秒待って声がした

『この番号は現在使われておりません...』 

期待など持たないほうが落ち込まない

自分を守る為に 思考回路は

自然と楽なほうへ楽なほうへと線を太くしていった







新宿駅を出て歌舞伎町に向かい
カードに書かれた簡略地図を頼りに店を探した

どこにも看板が見当たらない だが住所はこのビルで間違いない

ビルを見上げる
このビルの名前がどこに書いてあるのか
まるで探せない
風俗とサラ金の看板が犇めきあっているのだ
渡されたカードにある ギャルソンという名前の看板はどこにもない

約束の正午まで まだ一時間ほどある
最上階まで上がり 階段で降りて探すことにした
ボタンを押しエレベーターがくるのを待つ
古いビルだった 不潔というか 手の施しようがないというか
歌舞伎町を象徴していた

やたらネオンや看板で煌びやかに施されてはいるが
昼間はその誤魔化しは全く通用しない
壁面には罅が入り 浸水したであろう跡があちらこちらに容赦なく色をつけ
内階段にはティッシュやら 馬券やら タバコの吸殻が 溜まっている
少し ゲンナリとした気分になった






エレベーターのドアが開く
乗り込もうと足を前に出すが 上げた右足は地には着かない
びっくりした 中では男女が抱き合って本気のキスをしている
ドアが開いたことに気付いていないのだろうか
閉まるまでキスシーンは続いた
ここでまたボタンを押すと アンコール上演になるので
俺は仕方なく階段を使う事にした

エレベーターの表示で確認済みの最上階の8Fまで
やっとの思いで上がって来た
やっとの思いとは 決して体力不足などでははなく
階段のあちらこちらに
ビールケースやら古雑誌やら椅子やらテーブルやらが邪魔をして
なかなかスムーズに上がれなかったのだ
8Fに着いたが 更に階段は上へと続く
屋上に出られるのかと思い上がってみた
恐らく屋上になるのだろうが
鉄扉に鍵がかかっていて屋上には出られない

仕方がないので 再度8Fへと下りた
外から鉄扉を開けて中に入る 冷房も効いていないのに
外の気温より不気味に低くヒンヤリしている
看板を探すがギャルソンの文字は見当たらなかった
ひとつだけ不自然な木製のドアがあり
名前を書いてあっただろう場所が削られている
何て書いてあったのか読み取ろうと
顔を近づけていると 後ろで男が声をあげた
「あっ! お待ちしてましたっ!!」

心臓が飛び出るほど驚いた びっくりした 飛び跳ねた
泥棒をしているところを警察官に見つかった そんな感じだ
驚いて振り向き男の顔を見た
誠二さんだった
心臓が出ていないか確認するように胸に手を当て
「...誠二さんっ」と声を情けなく出す

「階段で上がって来られたんですかっ?」

エレベーターを使えなくしてた男が
この誠二さんだと気付くのに 一秒とかからなかった
何で階段を?と聞いている口の周りに
女の口紅でマクドナルドのピエロのように色が着いていた

返事を聞く気もないらしい
返答より先に
「ここの部屋です でもよくわかりましたね
 看板ないから 絶対に判らないだろうと思いまして
 下までお迎えにあがるつもりでいたんです」

・・・・・。
この部屋かどうか判断してる時に
こっちは驚かされたんだっつうの しかも思いきり

鍵の掛かってなかった木製のドアノブを持ち
「まだ散らかってますが どうぞ中にお入りください」
と 赤坂プリンスでのエレベーターでの待遇さながら
案内され 部屋へと入った

蛍光管がお約束のようにジーィィィーツと音を立て
ソファーと小さなテーブル
カウンターとホワイトボード
それと小学校においてあるような大きな時計だけの
何とも夢のない空間だった
グラビアアイドルのカレンダーが壁にかかっていて
こっちに熱く視線を送っている それが余計に気分をしらけさせた
良く見ると本日の日曜日の欄に星印が書き込まれていて
真ん中にはOPENの四文字が並ぶ
誠二さんが書いたのか?

「まっ むさ苦しい所ですがっ どうぞ楽にっ座っててください
 自分 ちょっと下まで飲み物とか買って来ますので 何がご希望ですか?」
「じゃぁ ウーロン茶を」

「ウーロン茶ですね 他にはないですか?
 コーヒーとか牛乳とかパンとかサンドイッチとかも買ってきます」

これまた返事を聞く気もないらしい
最後は自己完結で部屋を出て行った

部屋を改めて見渡す 背筋がブルッとする
このヒンヤリ感は冷房のせいではない
陽がほとんど当たらないのだ

テーブルにおいてあるスポーツ新聞を何となく読む
面白い記事は載っていない
新聞紙を畳むときに床に散乱してるゴミが視界に入った

床にティッシュが散乱しているのを片付けようと
いくつかを拾う
...!
指に痰のようなヌメリを感じた
「げぇぇっ 何だこれ~」

指についた正体不明の匂いを嗅ぐ
!...!!

ティッシュを鼻に近づけ確信した
間違いない精子の匂いだっ

しかも新鮮だ ここでやったんだっ さっきの女と

即様手に持ってたティッシュを捨てようとするが
ゴミ箱などは見当たらない
トイレに とも思ったが詰まるとヤバイ
もたもたしてると誠二さんが帰ってくる
仕方なく 俺は手で固めてしまったティッシュをほぐし
元あった配列通りに撒いた

カーテンの先に流し台が見えたのでそこで手をゴシゴシ洗ってると
誠二さんが帰ってきた

危ねぇっ 間一髪だっ
お互いに気まずい思いをせずに済んでホッとした


「ウーロン茶ここに置いておきます」

ウーロン茶だけではない
コーヒーに牛乳にオレンジジュースにりんごジュースにコーラを置いている
全て出し終えると
その袋に 俺が再配置させたティッシュを拾っていれていた

ソファーに戻るタイミングを失い
俺はラスカルのように長く手を洗っていた

「タオルはないんですけど ティッシュでよければ使ってください」

ドキッっとした 湿ったティッシュでなければと内心不安になる

もうひとつの袋から今度は食料を取り出す
サンドイッチにパンにから揚げに焼きソバにソーセージまで

どうぞと渡されたティッシュが未使用のもので安心した

「どうぞっ 好きなもの 飲んで食べてください
さっ遠慮なさらずに」

さっきの会話での
「何がご希望ですか?」は やはり会話として成立していなかった
自己完結だ

未使用のティッシュで手を拭きながらソファーに座り
小さなテーブルに やっとの思いで乗り切ってる商品群を見て
笑ってしまった 我慢しようとすると 可笑しさは倍増する
緊張やら不安やらのせいもあったかも知れない
お腹の底から声をあげて笑った
抑えようとするが もう駄目だ
腹筋が痛くなる
誠二さんが不思議そうに笑いに連られた顔で聞いてくる
「どうされました?」

駄目だ その真面目な顔がもぉ可笑しくてたまらない
「誠二さんっ....
      鏡っ....鏡っ....」

かろうじて声を出した
聞き取れたようで トイレへ立ち上がる


笑いの素が解ったようだ
マクドナルドのピエロ顔で ヤクザがコンビニで買い物をしたのだ
トイレから「うわっ!!」と一際大きな声が上がった























26) 一也の誕生 】 へ続く


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この記事のコメント
今もそのROLEX使ってるんですか?

ドナルドのままコンビニ・・・想像しただけで笑えます。
2006-11-22 Wed 14:21 | URL | のら #-[ 内容変更]
ほのぼのします…
ラスカルの様に… ツボです(笑)
2006-11-22 Wed 17:18 | URL | たく☆ #-[ 内容変更]
レス×2
~~~~~To.のらくん~~~~~

ROLEXかぁ
いい質問です

ノーコメでww

G@TEN


~~~~~To.たく☆さん~~~~~

ラスカル見たくなったw

G@TEN
2007-04-26 Thu 21:47 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
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