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27) ヤクザへの個人教授
2007-04-27 Fri 06:05
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26) 一也の誕生 からの続きです





二つの目が映すものは

ココロの深いところには さほど影響しない

むしろ悪影響を及ぼす


二つの耳に届いてくるもので

ココロにダイレクトに影響することがある

そんな時

決まって目を閉じている

嗅覚はフルに機能し

声でない声を そこに感じながら

感覚を研ぎ澄ます


そして目を開けた時

ひとつの答えが見つかっている





↓よければ 励みくださいm(__)m
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 ジャニーズ系からスポーツマンタイプの18歳から30歳までの
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 お気軽にお電話をお待ちしております。」





ようやく広告媒体(伝言ダイヤル)に広告(吹き込み)を打ち終え
電話が鳴るのを待つ

[ジャニーズ系からスポーツマンタイプの18歳から30歳までの・・・]

俺一人しか居ない(笑)
誠二さんも出張するのだろうか?

「来ないですねぇ~ 先生!来ますかねぇ?」

と不安そうな声
出産を病院の廊下で待つ だんなの様に落ち着きがない

吹き込むまで一時間かかり
吹き込み終わってまだ5分と経っていない

「今日は日曜ですからね 期待できないですよ
 それから先生でなく 一也です」
「すみません つい」

「(笑)」

憎めない
素直過ぎる
本当にヤクザか?
何でヤクザの道に?
何でこの人 ここにいるんだろう?

電話が鳴るのをジッと見つめる誠二さんに
勇気を出して質問してみた

「誠二さん もし俺が仕事に行ってここに誰もいない状況で
 電話があったら 誠二さん出張行くんですか?」
「い...やぁ 俺は無理ですよ」

自分自身納得させるように細かく頷きながら続けた

「何せ 経験ないですからね」

経験?
経験のあるなしが 出張するしないを決める判断材料なのか?
じゃあ ホモセクシャルは 皆出張できる?
そこではないだろうと思いつつも
本当はそこでない理由も察知できた
誠二さんは 俺に気を遣っているのだ
本当はこう言いたかったにちがいない
[男とヤルなんて 気持ち悪いです]と

これまでに散々ノンケ達の口から出てきた言葉だ

『ありえねぇ』
『考えられねえ』
『気持ち悪い』
『気色悪い』
『死んでも出来ない』
『絶対無理』

この言葉たちは思春期の時の俺に 重くのしかかってきた
そして 今でもすぐ近くに居て
いつでもとびかかれるように 俺の傍で身を屈めている

「先生っ...一也さんお腹空かないですか?」
「(笑) 19時以降は食事とらないようにしてるんで」

「えっ!?何でですか?」
「指名されて、食事する事もありますからその時の為に」

「な る ほ ど!  プロですねぇ」
否めなかった

「誠二さんのほうこそ 食事摂ってください」
「自分は一也さんが仕事に行ったら摂りますんで 大丈夫です」
他意のない言葉にプレッシャーを感じる

電話の鳴る事だけをひたすら待つ雑居ビルの室内で
俺は明日からの店の営業を心配していた
来週土曜日までここには来れない事
その間 店はどうなるのか
俺以外の駒はどうやって捜すのか
21時を回っても電話は鳴らない
大丈夫かな 料金下げた方が良かったかな
などと心配仕切りだった

テレビもラジオも電話も鳴らない空間に飽きた俺は
雑誌を買う為コンビニに行くことにした
電話番をしている誠二さんに 何か必要なものあるか聞くと
経費で落とすから ありったけ買ってきてくださいと
一万円札をくれた

エレベーターに乗り1Fのボタンを押す
エレベーターの室内は同じビルに出入りする
女達の化粧品や香水の
夜の匂いで充満し 息をとめないと咽るほどだった
この匂い嫌いではなかった
夜の匂いの向こうには 子供の頃に憧れてた世界があるから

コンビニで適当な雑誌を引き抜いてレジに持っていく
ありったけと言われたが一万円分の雑誌を買うと相当な量になるし
全部の雑誌を買うと 今度は一万円では不足だ
ほどほどにした

コンビニ入り口の灰皿の前に雑誌の入ったビニール袋を置いて
タバコに火を点ける 外気が心地良かった

目の前の通りでは 歌舞伎町の妖精や僕(しもべ)たちが
通行人に誘惑の粉を振りまいている

この人たちのやってることと 大企業がやってることとは
何ら変わらない
違いがあるとすれば それはイメージだけだ
本質は何ら変わらない

企業は大金を投じて社のイメージアップを図り効果を期待する
この人たちは 体当たりで効果を生んでいる
この正直さが好きだった 愛すべき人間達だ

タバコを二本吸い終えた俺は
電話を待つ誠二さんの待つ8Fへ戻る
「!」木製ドアの向こうで声がしている
「電話か!?」そう思ってドアを開けると
誠二さんが原稿を机の上に落としながら
「お帰りなさい」と言った

電話ではなく 原稿の読みを練習していた
真剣に取り組んでることに 少し感心しながら
雑誌を買ったレシートとお釣りを渡す
案の定 全部使ってきてくれてよかったのにと言われるが
何も言葉は返さずソファーに座る

誠二さんの 練習している声をBGMに
メンズファッション誌をパラパラと捲ってると
電話が鳴った

「来たっ!!」




















































9時間以上音を上げなかった電話機が
突然電子音をさせた

[来たっ!!]

誠二さんの声と俺の心がシンクロした

「ハイ もしもし!」

会話の成り行きに傾聴する

「ハイ...  ハイ...  そうですね...ハイ...   ハイ...」

何だ?ハイしか言ってない





不安になり 誠二さんの持つ受話口に耳をくっつけ
会話の内容を聴く

『来た子が タイプじゃなかった場合はどうなるの?』

空いた耳に 小声で耳打ちする
「二千円だけ渡してください」
誠二さんがリピートする

『一時間コースはないの?』

再度耳打ちする
「一時間でも料金は二時間分になります」

『ラブホテルでもいい?』

耳打ちではなく誠二さんに頷くジェスチャーをする

「ハイ 大丈夫です」

『じゃあ また後で 電話します』

「ハイ お待ちしております よろしくお願いします」

受話器をガチャっと置いて 初の電話応対は終了

満面の笑顔の誠二さんと顔を見合せ
力のこもった握手をした
誠二さんが何度も「やった」を連呼する

待ちに待った電話が鳴った事と 誠二さんが無事応対出来た事
見ていて微笑ましかった 子を持つ親の心境みたいだった

だが俺は まだ誠二さんみたく 諸手をあげては喜べない
あとでかけると言った言葉が本当かどうか
仮に本当であったとしても今日指名されるか後日となるか
対面したときに タイプと違いキャンセルになるかも知れない
裸になるまでは 喜べない

そして 俺は 裸になっても 喜べない



この時に 俺が喜べたのは 誠二さんが子供のように喜んでる姿

喜びに水を差す野暮なことはせず
一緒に喜んだ振りをしながら前向きな話をした

電話をとっての第一声は
「お電話ありがとうございます ギャルソンです」と店名を名乗ること
吹込みの内容が嘘でも悪戯でもない本当のことだとアピールする最初のハードル
ここをクリアーさせなければ次には進まない
「ハイ もしもし」だけではガチャ切りされてしまう可能性がある
誠二さんは 言った通りの台詞をメモに書いて電話機の前に置いた

もうひとつ
「後で電話します」と言われたら
時間を聞くか 時間を指定しないと
ダイエットは明日から の明日と同じで
「後で」は いつまで経っても永遠にやって来ない

このケースだと
「何時頃になりそうですか?」と聞くか
「22時までにはお電話ください」と促すかが効果的だ

「全員 出払う可能性もございますので
 お早めにご連絡ください」と付け足すと200点

言った台詞を「もう一度」と頼まれ ゆっくりとリピートした
誠二さんの熱心に書いてる横顔を見る
マンツーマンの家庭教師の気分だ

先方が切った事を確認してから こっちも切るようにすると
尚 良いですよと
最後に心得を付け足す




一本の電話がこんなに この人を喜ばせるんだ
ビンビン俺に伝わってくる
人を成長させる 成長かどうかは別にして
未経験者に指導することの楽しさをこの時に貰った気がする








喜びのテンションも落ち着いた頃
先ほどの心配事のタネを持ち出した
来週土曜日までここには来れないが その間 店はどうするのか
俺以外の駒はどうやって揃えるのか

可愛そうな質問をした と思わせる表情を浮かべ 溜息をついてる
恐れていた通りだった 何の策も講じていない

「俺に出来ることが あれば言ってください 出来る限りの事はしますから」

途方に暮れてる誠二さんを励ます意味で言った
協力できる項目の中にはない リクエストをされた

「じゃあ 明日も来て貰えませんか」
「いやぁ...仕事あるんで 明日は無理です」

「一也さん 居ないと 俺一人で絶対やってけないです」

確かにそう思った 無理だ
が しかし困った...
何故困ったかというと 迷ったのだ

迷うとは 周波数を調整にかかるということ
発信されてきた電波を 受信するかどうか
チャンネルを合わせるか合わせないか 俺の意にかかってる

先ほどまで はしゃいでいた誠二さんの顔が
明から様に落ち込んでいる
二人して目線をどこに落とすとも無く 考えあぐねる

俺の中の 母性本能みたいなものが 思い切り揺さぶられた

台風のようだ 風の勢いで容易く飛ばされて行きそうだ

目を閉じて 集中した 

山室の好意に甘えさせてもらったお陰で 俺がいる

今井に世話して貰ったお陰で 俺がいる

俺が必要としてきたように

今度は俺が必要とされている

俺も必要とされたい 人の役に立ちたい








嗅覚を研ぎ澄ませた







初めて歌舞伎町に足を踏み入れた時の事が頭に浮かぶ







::::::欲するモノが何なのかがハッキリさえしていれば
::::::必ず手に入れられる街であると信じ 歌舞伎町にきた












そうだった......

         ......俺そうだった













閉じていた目を開けひとつの決断を下した







「誠二さん 俺 明日もここに来ます」



















「本当ですか!」

誠二さんは勢いよく椅子から立ち上がり
ソファーに座ってる俺の横に来て
「本当ですか!一也さん明日も来てくれるんですか!?」
白い歯をさらけ出して このうえない笑顔でそう言って 顔を近づけてきた
キスでもされるんじゃないかの勢いに圧され 微かに体を引く
まるでプロポーズのハイが 本当かどうか真意を確かめようとする熱い視線
ここで頷かなかったら 俺が一生後悔の念に苛まれてしまう

コクッと頷く

きたっ!やっぱりきたっ!!
予想に1%も狂う事なく 抱きついてきた
握手をしてきては抱きつかれ 抱きつかれては握手をされ
大っきな体をした 素直な子供だ
「本っ当感謝します 凄い嬉しいです ありがとうございます」
キスこそされはしなかったものの ヤクザの三文字は微塵もなく吹き飛び
裸の人間としての行動と発言を幾度も幾度も繰り返し
妙に心地いい空気が 薄汚い部屋を充満させた






「いくつか条件があります」
「何でも言ってください 全部聞きます」

「明日 会社を辞めてきます
 辞めると 今は寮なのでそこには居れなくなりますから
 部屋を探すのを手伝ってください」
「そんなの もちろんです 全部俺にやらせてください」

「もぉひとつ」
「はい どうぞ」

「この店 大きくしてください」


誠二さんの目が険しくなる
黒目が潤いを帯び 光が反射する
みるみると涙を溜め
鼻の横を 滑り落ちて行く
男泣きした
大きな体で 顔をぐしゃぐしゃにして
俺の手を強く握り締めていた手に
ポタポタと止めどなく涙を落とした



グズグズになった顔を 流しで洗ってる誠二さんの後ろ姿
ヤクザの肩書きを持った でっかい子供

何でこの人ヤクザに?の質問はこの時封印した
なぜなら
何で俺がここにいる?と同じくらいの愚問であることが
解ったからだ


































28) 虎の威 】 へ続く


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<<26) 一也の誕生 | 新宿タワー~ゲイとノンケと時々オンナ~ | 28) 虎の威>>
この記事のコメント
初めまして
いつも楽しく拝見させていただいてます。
アニキの昔の話、目の前で聞いてるみたいな感覚。
(ごめんなさい。いきなりアニキって呼んでしまって)
毎日記事の更新が楽しみで楽しみで…。

きりのいいとこでコメントしようと思ってたのですが
「来たっ!!」
の台詞でしめられて悶絶しつつ、我慢できずコメントですww

一つ一つ自分の手で開いていく未来。
きっとみんなの心にも自分の力で開いていきたいって願いがあっても
それを実行できる人は少ない。
アニキが自分で作り上げていった未来。
すげぇ興味あります。
続き楽しみにしています。
2006-09-26 Tue 04:48 | URL | 一志 #1wIl0x2Y[ 内容変更]
To.一志さん
ども、G@TENです。

コメントありがとうございます。
ずいぶん遅くまで(?)起きてますね
今日は風が強くて心地良いので眠れないっす!!

兄貴はよしてください(汗)

読んでてくれて39です!
書きたいこと山ほどあって

構成が解り難くないですか?
何なりとお申し付けください。

コメントは今の俺の生きる糧です。
ありがとうございます。^^

G@TEN

2006-09-26 Tue 05:00 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
兄貴! 俺には 無理…
兄ゃん!って感じかな?
誠二さん 可愛いね☆ ヤクザさん達って
真っ直ぐな 根は良い人 多いっすよね
逆な人も 当然 いますが…
2006-11-22 Wed 17:35 | URL | たく☆ #-[ 内容変更]
To.たく☆さん
スーツを着て 社会的に地位を持ってる人と
一見 真逆の位置にいる人

見た目で判断する価値観は
クソだと思います

マイノリティ側に位置するGAYにも
この色メガネ 非常に多いんです

G@TEN

2007-04-27 Fri 06:12 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
ヤクザへの個人教授~後期~
再UPしたこの記事は
前作の 一也の決断 とを併せております。

一也の決断 にはコメントがありませんでしたので
ひとつにまとめた次第です

ですので ↑ 一志さんのコメントが
「来たっ」について書かれているわけです。






歌舞伎町は今でも大好きな街です
毎週のように足を入れております

現在の歌舞伎町は かなり美化されてきておりますが
主流には欲望という地下水脈の大量の水が
脈々と注がれて大きな川を形成しているのは
昔と変わりません

東京に来た時に
この街を好きだと思いました
とても居心地のよい場所です
よほど水が合うのでしょう

一歩踏み外せば どこまでも転げ落ちていく
崖のようです

G@TEN
2007-04-27 Fri 06:27 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
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