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28) 虎の威
2007-04-27 Fri 12:00

27) ヤクザへの個人教授 からの続きです






路上の星



空を見上げた時にある
幾千もの星の光以上に

路上では星が瞬いている

どの星も瞬き輝いて見える

そのどれもが

闇に立つことで 光を放つ



闇とは光を探す場所



闇は光を嫌い 光は闇を好む








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果たして電話は再度くるのだろうか?
糠喜びで終わらなければいいが

そう思いながら もうひとつの事を考えていた
明日 今井に何て話しをするかだ

ヤクザの店で男娼やるから辞めますなんて
あの父親のような存在の今井が
「はい そうですか」と簡単に言うわけはない




本当の事は言えない
しかし 何と説明するかはおいても
明日ここにくるという決断に嘘も迷いもなかった
むしろ ここを 自分の居場所 だと感じた
俺の 居場所

室内の清掃をしている誠二さんを手伝おうと雑巾を水で湿らし
床を拭き始めると

「駄目ですっ 先っ...生じゃなくて 一也さんは座っててください」
「俺のやりたいようにやらせてください でないと俺 明日来ません」

「じゃぁ お願いします!!  何でも好きにしてください」

効果覿面だった(笑)

俺が子供のころ 明日オモチャを買ってあげるからもう寝なさい
と言われてたときと 同じ効果だ

床もテーブルもホワイトボードも拭き終え
今度は窓でも拭こうと 窓を開けた

眼下に夜の歌舞伎町が見下ろせた
ネオンの光で まるで昼間のように明るい
きらきらと輝き 星の世界みたいだった
その光に照らされながら お祭りのように人々が行き交う
この行き交う人たちは 皆何かを求め 皆何かに求められている
俺にはそんな風に映ってみえた




時計の針が23時を回った

「店は何時までですか?」
「...........     」

「(笑)  24時までにしませんか?」
「はい じゃあ24時までにします」

「電話 来ませんね」
「一也さんの言ったとおりですね 失敗しました
 一也さんに出て貰えばよかった」

「誠二さんの対応良かったっすよ 誠実さがちゃんと伝わってました」
「本当ですか! 誠実さか....意識してなかったです もう夢中で」

この人は誠実だ 少なくとも俺への態度には誠実さで溢れていた

オンナをシャブ漬けにして食いものにしてるかも知れない
過去に人を殺しているかも知れない
仮にそうであったとしても
俺はこの人を信用するに値した 根拠を備えた

時計の針は無情にも24時をまわった

「一也さん 飯っ 行きましょう」

俺が仕事に行ったら食事を摂る といっていた誠二さんに
俺は 食事する時間を提供出来なかった

少し申し訳なく思い 部屋に帰ることは二の次にし
一緒に食事に行くことにした

「今日は記念すべきオープン初日ですから 豪勢に行きましょう」

夜はこれから!というノリだ

俺は電話機に即興で閉店後に流すメッセージを吹き込んだ

「お電話ありがとうございます[ギャルソン]です
22時で完売した為 本日の受付は全て終了いたしました
明日の受付時間は 正午より24時までとなっております
またのお電話お待ちしております」


吹き込んだメッセージを確認し 留守番電話をセットし 店を出た















「鮨 焼肉 すき焼き てんぷら 何がいいですか?」

外国からの観光客のように聞かれたが
通りから胃袋を刺激する匂いに鼻をくすぐられ
「焼肉がいいですね」と答えた

「じゃぁ いい店知ってます こっちです」と

歩く方向を変え 路地へと入る
タキシードを来た僕(しもべ)たちが連なって
手をパンッと叩きながら
「社長どうですか!? カワイイ娘いますよ!!」と
通行人に粉を撒く通りだ

この通りを歩くと 何人にも声をかけてこられるので
夜は通らないようにしていた通りだった

あるタキシードの男が声をかけてきた

「ご苦労さんです」

誠二さんに挨拶している

その声を聞いた隣のタキシードも

「ご苦労さまです」

そのまた隣のタキシードも

「ご苦労さまです」

皆が 誠二さんを知っていた
ご苦労様ですと声をかけてくる

誠二さんは挨拶してくるタキシード男のほうには顔を向けもせず
「よし」とばかりに 首をコクッとだけ動かし やり過ごす

その背中は
さっきのグズグズになった顔を流しで洗ってた誠二さんとはまるで違う
ほんまもんヤクザの誠二さんだった




























「さっ ここです」

到着した店は遊玄亭だった
過去に何度か客に連れてきて貰った事がある
確かに美味しいが 値の張る 高級焼肉店だ
とても自腹を切っては来れる身分ではない
客なら遠慮なく頷いて 入るところであるが
俺は拒んだ ここは高い 誠二さんに負担をかけたくはない

「誠二さん ここじゃない所に行きませんか?」
「ん?何でですか!? ここ美味しいですよ」

「美味しいのは知ってます が..... 高いです」
「(笑)!
 大丈夫ですよお金なら 昨日一也さん送った後に
 俺も 兄貴から準備金だって百万貰ったんですよ」






準備金の使い途が焼肉だと知ると 余計に拒みたくなる
入る入らないのやりとりをしてると
黒塗りのベンツに乗った男が声をかけてきた

「おいっ 誠二っ!」
「あっ!兄貴っ ご苦労さまです」

玄人流のお辞儀をした
誠二さんの頭を下げた相手は 昨日の太目のヤクザ 押尾だった

押尾はベンツの後ろに連らなるタクシーなどお構いなしに
ドアーを開け放ち 車から降りてきた

俺に気が付くと

「おぉ 坊主っ 来てくれたのかっ」

そう言って 俺の頭に手を載せ[いい子いい子]をした
誠二さんに 店(ギャルソン)の調子を聞き 答えを知ると

「そおかっ 坊主(客ゼロ)かぁ」と俺の顔をみてダジャレを言って笑った

「誠二 まぁボチボチ頑張れやっ
 今から叔父貴 (おじき)んとこ顔出すがっ
 一緒に行くか?」
「自分 今日色々一也さんに世話んなったんで
 ココ(遊玄亭)でご馳走して それから行こうと思います」

押尾は頭に載せたままの手で 再度[いい子いい子]をして

「一也っていうのか 坊主っ 
 誠二の世話してくれたんか ありがとなっ」

野太い声でいうと

「ほらっ これで一也に特上食わせてやれっ」

例のクロコダイルの分厚い財布から札を何枚か抜き
誠二さんに渡すと
映画のワンシーンのように颯爽と車に乗って走り出した
車が一台走り去っただけで この一帯の渋滞はスムーズに流れ始めた










この一連のやりとりの間 
一方通行の車道と 狭い歩道は 通行止めとなっていた
ヤクザが邪魔で歩けなくなった歩道には
路上ライブを見てる集団のように塊ができ
ドアーの開きっ放しの 黒塗りベンツの後ろには
前にも後ろにも進めなくなったタクシーたちが行列を生す
信号の青色は その意味をなさない

通行人 タクシーの運転手 乗客
誰一人として 文句は言わず
成り行きをただただ 立ち止まって見守っていただけだった

誠二さんは昨日と同じように 車が見えなくなるまで頭を下げていた










この光景を 今でも俺は忘れないでいる 当時の俺に
その力は鮮烈に映った

ヤクザというイメージが 周囲を抑え付け 四の五の言わさない

ヤクザというイメージが 刀やピストルを勝手に描かせ

小指ひとつ動かさずとも 人々は こん棒を地面に落とす

何て ざまぁ見ろな職業なんだろう
殴って 脅して 銃を突きつけたわけでもないのに
周囲が勝手に まるで 麻酔ガスでも吸ったかのように 大人しくなる

今思うと
虎の威を借てるのは 事実上ヤクザのほうかもしれない
イメージが先行していて 周囲がヤクザを形成させている








「もぉ 車 見えなくなりましたよ」

そう言ってから 頭を下げてる誠二さんを見ると
誠二さんは頭を下げた格好のまま お金が幾らあるのかを数えていた

「(笑)」
「よしっ 10万ある さっ一也さん 兄貴の命令は絶対です」


結局 肩を抱かれ店に入り 特上ロースを食べることとなった

野犬のようにガッついて食べるとこをみると
相当空腹だったに違いない
申し訳なさを少し感じながら 食後のデザートにとりかかる

誠二さんは酒を飲まないらしい
飲めないのではなく アルコールを断っているとのことだった
深くは追求しない 今は質問の時期ではない
質問したいことはヤマほどある が 焦ることもない

俺はいつの頃からか 人に対して質問はあまりしないようになった
俺自身があれこれと質問されるのが苦手ということもあるが

耳から入った情報を カボチャのような頭を使って 理解を示そうとしても
発信した情報を 受信機は鮮明には映し出せないものだ

青い空 と言っても 受け取った側の映像は 千差万別 十人十色
それと同じこと



ヤクザと言っても 同じこと



                ゲイだと言っても 同じこと























店を出て誠二さんに礼を言う

「ご馳走様でした 誠二さん今日はどうもありがとうございました」
「えっ!?一也さん帰るんですか?  もぉ電車もないんじゃ!?」

「タクシーで帰りますよ」
「今日は泊まっていきましょうよ」

泊まる?どこへ?店?誠二さん家?ホテル?ヤクザの事務所?
ファオーンと音を立てる新幹線のようにクエスチョンが通過した

「泊まるって どこへですか?」
「ホテルですよ」

「!!??!!??」





























29) 青龍昇天 】 へ続く


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この記事のコメント
面白過ぎます!!
面と向かっては絶対聞くことの出来ないお話しで、
とにかくハマってます。
ランキングもポチポチやっていますよ(笑)
更新を心から楽しみにしています!!
(感じることがたくさんあり過ぎて、伝え方が分かりません)
2006-09-27 Wed 20:27 | URL | バシ #-[ 内容変更]
To.バシさん
コメント 早やっ!!

ども、G@TENです。

たった今載せたのに、早速のコメントどうもありがとうございます。
最初から読んでくれてるんですか?
嬉しいですね。

上手く伝わっているかどうかは、もぉこちらとしても知る由もありません。
けど、五行のコメントで元気貰ってますよ。
本当、感謝です。

G@TEN
2006-09-27 Wed 21:02 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
今日もランキング押しと来ました。G@TENさんの文章は引き込まれるなー、おれ達はブログ初心者だから、いろいろ参考にさせて下さい!
追伸:コメント返信ありがとう!カクテルも中州今年行ったよ!名古屋と違って人間が暖かいきがした。毎回G@TENさんのブログ見るたびにあの歌に魅せられる。またよろしく!!!
2006-09-27 Wed 22:22 | URL | カクテルブラザース #-[ 内容変更]
うわっカクテルさん!!
来てくれたんやっ!!

嬉しいっすねぇ
カクテルさんとこコメント入れ難いのはワザと??

ランキングねっ(笑)
ランキングよりコメントのほうが百倍嬉しいっすよ!!

俺がラッキーだったら相当カワイイのをつけてあげんのになぁ 

本当嬉しいです。
チビリそうなんでTOILET行ってきます!

中洲の話 楽しみにしてるっすよ^^


俺もまだ一ヶ月と経ってないblog初心者だっつうのっ
参考になるのなんて 何もないっすよ
あんな立派なblogページ持ってて よくいうyo^^
2006-09-27 Wed 22:38 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
虎の威~後期~
再UPした 虎の威 は
前作 完売御礼 と併せております。

完売御礼はコメントゼロでしたので
一緒にしました。







この記事には思い入れがあります。
出合って間もない誠二さんと、
二人で始めたギャルソン初日の夜。

仕事を辞めようと決意して、
新たに選んだSTART地点です。

何十回と読み返しては
当時を思い出しています

G@TEN




2007-04-27 Fri 07:40 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
コメント再び
「ヤクザへの個人授業」のところで、
なんでしょうねー、泣けました。
過去の自分がここで、このコメントする気持ち、
すごく分かるし、今も変わりません。
これからどうしよう・・・と考えていた、
当時の自分も今も、
G@TENの魂の入った文に、
エネルギーもらってます。
2007-04-29 Sun 14:40 | URL | バシ #-[ 内容変更]
To.バシさん
歴史を感じましたw

一部ですね

G@TEN
2007-05-01 Tue 05:44 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
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