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09) 中学生事情
2007-04-18 Wed 13:05
GBr
08) 沈んだ太陽 浮かぶ月 からの続きです





自分の事を自分で決める事が

理屈抜きに いとも簡単に出来てしまうことがあれば

1年かかっても出来ない時がある

明日の自分はどうありたいか

来年の自分はどうありたいか

目標とか方法とかを探してる間に

一年は過ぎてゆき

いつしか 莫大な時間は過ぎていく




時間は全てに対して平等だ

優しくもあると同時に残酷で非情でもある




この世に落ちた時に

なぜ寿命を教えてくれなかったんだと

喉が破れるまであなたを責め続けたい






こんな私も






あなた 神の子です






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他校との親睦試合を終えてS中学からの帰りの路線バスの中は
後部座席を中心に修学旅行のような賑わいをみせていた

実力には定評のあるS中との初の交戦で
我がバレー部の貧弱さを改めて思い知らされたが
悔しがって落ち込む者など1人もいない
S中バレー部に取り揃えられていた坊主頭もいない

帰りのバスの中での話題は下ネタに沸き
他の乗客の形相を険しくした

悔し涙は流さずに

掃除機使うと大きくなった
赤チン塗ったら 毛が生えた
せんずりで使用したコンニャクは食べる

と 次々に出てくる下ネタに大爆笑し涙した




二年に進級した初夏のとある日
駅前のバス停で降りた俺たちに
先生から夏休み中の練習スケジュールが渡された

昨年同様 自主練がほとんどだ
夏休みの練習で 新入部員の一年坊達も
この弱小バレー部を好きになるだろう
新入部員は昨年と同じく3名だけだった

中塚さんがバレー部を引退した後
啓輔 清水らと共に 新たに帰宅組の友人を誘い入れ
俺ら二年は11名の所帯になっていた

円陣を組み 手を重ね
新キャプテンの横山さんが解散の号令をかける

「ズル剥けバレー部 解散!!」
「おぉっ!!(笑)」

面白い めちゃくちゃだ
このバレー部 馬鹿過ぎて 愛すべきだった





キャプテンが横山さんの代になって解ったことがある
キャプテンの選出基準だ
普通ならバレーボールの上手さや統率力などが基準となり
顧問の先生が任命するのだろうが
我が弱小バレー部は100M走のTIMEの一番遅い者が
キャプテンをやるのが伝統となっていた

中塚さん達三年が引退した三学期初めての練習の日
当時二年だった横山さんが新キャプテンに確定した時
「うわぁーーーっ」という叫び声がグラウンド中に響き渡り
野球部の連中が練習の手を止めて集まってきたことを思い出す
こういうところも我が弱小バレー部の愛すべきところだった






「腹減ったなぁ 何か食ってく!?」

啓輔の買い食いの提案にNOを言う奴は1人も居らず
すぐさま11人の足は タコヤキ屋に向かって方向転換した

「ヒロ 今度家遊び来いよ オカン会いたがっとるし」
「清水のお母さん元気なん?」

「腰が痛い痛い言うてるけど 相変わらずや」
「そか しばらく会っとらんし また美味しいご飯ご馳走になりたいな
明日の朝刊配達終わったら行っていい?」

「俺も行っていい?」

啓輔が割って入る

「ヒロはいいけど 啓輔は駄目」
「何でぇ?」

「働かざる者 食うべからず お前も明日朝刊手伝うか?」
「・・・・・」

清水と顔を見合わせ 笑ってしまった
憎めない奴だ









皆と別れた時は20時を過ぎていた
マンションに越したことで コロもいない
ペットが飼えない新居に帰っても楽しみはなかったが
救いが二つあった

一つは自分の部屋が持てたこと
テレビも置いてくれたことで 好きなだけ部屋に篭れる

もう一つは屋上だ
誰もいない夜の屋上から見る空は格別だった
椅子を持っていき 二時間でも三時間でも
屋上で過ごした

今日も飯を食ったら 屋上で過ごそうと思っていたが
玄関を開けると白い雪駄が目に飛び込んだ





クソ親父!

帰ってきてる!!





履物をみただけで 気分がゲンナリする

「ただいまぁ 帰ってきとったん?」
「遅かったな」

「今日 試合でS中行っとったん」
「試合は勝ったんか?」

「ボロ負け」

クーラーをガンガンにかけ ステテコ姿で
馬鹿の一つ覚えのように野球中継を見ているクソに
鼻で笑われた

「腹減ったか?」

テーブルの上に目をやると 俺用に用意されていたチンするだけのおかずは
皿の上から姿を消していた

「友達とタコヤキ食ってきたけ いらん」
「じゃあいいな そこにあったやつは食うたけ」

食い終わった皿を流しにもおかずに

「浩史ぃ 風呂沸かしてくれぇ」

たまに帰ってきての父親面に
風呂に湯を張りながらひとりムカついていた
俺はさっさとシャワーで済ませ先に寝ることにした

「おやすみなさい」
「・・・・・」

返事もろくに返ってこず 今度は時代劇を見入ってる

























ガシャーン という音で目が覚めた

上半身を起こし部屋のドアの方向を見た

激しく何やら言い争ってる様子だ

枕元でつけたままのラジオの電源を切り 耳を澄ます

継母の声もする

時計を見ると 深夜2時を過ぎている

クラブ勤めからとっくに戻ってきてる時間だった

声は聞こえるが 何を言ってるかは聞き取れない

先ほどより会話が静かになり

しばらくすると玄関のドアがガチャガチャと開けられ
人の出て行く足音が聞こえた

二人とも出て行ったのだろうか?

耳を澄ましていると 寝室のタンスの引き出しが閉まる音が聞こえ
どちらかが居る事が判った

再び布団に潜り 何もなかったんだと言い聞かせながら
眠ろうと格闘したが やはり気になって寝付けない

ラジオの電源を再びONにして
オールナイトニッポンに耳を委ねた

とうとう二部の放送も最後まで聴いてしまい 朝が来た
目覚まし時計の針を進ませ アラームを鳴らして止める小芝居をして
いつも通りにそっと部屋を出た

洗面所へ向かう途中 寝室を見るがドアは閉められていて
中の様子が伺えないが 玄関から雪駄は消えていた

クソが出て行った事に少しホッとしながら
歯ブラシを口に入れた




















朝刊の配達を いつもの150%のスピードで配り終え
営業所で真ん中の兄貴と清水が帰ってくるのを待つ

「ヒロ 今日は配達早いねぇ」
「はい おばちゃんの手料理早く食べたいんで頑張りました」

「あいつ 遅ぇなぁ~
あいつはバレー下手くそやろ?」
「そんなことないですよ 名アタッカーです」

「ヒロはポジションどこね?」
「僕はセッターです 背ぇ低いし(笑)」

「やっぱりセッターね
(!)
背ぇが低いからいう意味やないよ
セッターは頭が良くないと出来んけね」
「頭良くないですよ」

「ヒロは3日で覚えれたやろ(配達ルート)
アイツは一週間くらいかかっとるけねぇ
学校の成績も技術と体育以外全部2(5段階評価)やもん
今度アイツに勉強教えてやってくれんね」
「あんまり変わらないですよ 僕はオール3ですから(笑)」

キーコキーコと音を立てて2が戻ってきた













「久しぶりやねぇヒロくん 元気しとったねぇ!?」

清水のお母さんは 俺との再会を喜んでくれた
再会と言っても年単位ではない 3ヶ月ほどだ
3ヶ月ぶりの俺を見て

「うわぁ本当に大きくなったねぇ 早よ あがりなさい」

俺には無関心な父親が かけてはくれない言葉を
他人であるこの人は 戦争から帰ってきた我が息子のように
大袈裟なほどの喜びの笑顔いっぱいに迎えいれてくれた

「今日はヒロ君来るって聞いたから おばちゃんね
チヌ(クロダイ)のお刺身をさっき朝市で買うてきたんよ
夜に来てくれれば焼肉でも出来たんやけど
朝やけぇね ヒロ君お刺身食べれるやろ?」

清水の家は この母親の愛情で満たされていた
ここの子になりたい この家の子に

「はい 大好きです」

本当言うと刺身は大の苦手だった
が 腰が痛いと言ってる中 俺の為にわざわざ朝市で買って来てくれたのだ
俺は刺身でも犬でも猫でも食べてみせる
おかわりすると喜んでくれるから無理して3杯食べた

「ふぅっ ご馳走様でした」

一番上の兄貴が先月結婚をして 今は隣町でアパート住まい
真ん中の兄貴に出来た彼女が遊びに来たけれど おてもやんだった
清水がタンスの服の下に Hな本を隠してた

など ここ3ヶ月間に起こった出来事を矢継ぎ早に聞かされ
とても学校に行く気にはなれなかったが

「ほら時間よ 早よ学校行って来なさい」

と最後は捲し立てられた























二年のクラス替えで啓輔とは違うクラスになったのだが
今度は清水と同じクラスになった

同じクラスで同じバレー部 そして朝刊配達
当然ながら啓輔よりも清水と連るむことが多くなっていた

啓輔は3~4ヶ月ほどで井口と別れ 吹奏楽部のまじめな女子と
清水は一年の時同じクラスだった女子と
俺はバスケ部の女子と
それぞれ横の繋がりのない彼女を作っていた

彼女といっても たまに約束して登下校を共にし
愛の言葉や体温を交換するのではなく
お昼休みの時間に日記を交換するだけの存在だった

そこをイチヌケしたのはダークホースの清水だった

「彼女が出来たら何したい?」と聞いたときに答えた
「オメコ(SEX)!!」をとうとうやったのだ

このことは 口の軽い啓輔には勿論のこと
誰にも口外するなと強く念を押された 俺と清水との二人
いや相手の女子を入れた三人だけの秘密だった

穴が二つあった
メメコ(女性器)は臭かった
チンポ挿れたら熱かったとかいう感想を聞かされるが
俺には何の興味も持てなかった

彼女の存在を母親にも言わないよう口止めされていたことが
今朝の朝食の席で納得できた
真ん中の兄貴の彼女のように おてもやん呼ばわりされてはたまらない

オメコをした清水にも驚かされたが
させた女子のほうには その倍驚かされた
あの優等生の見本のような図書委員の子が
清水とオメコ!!








外のプールから聞こえる水音
痛いほどに眩しい外光
説法のような授業
強烈な睡魔が襲ってくる

夜中の2時に目が覚め そこからずっと起きてるのだ
朝刊を150%の速さで配達し 清水の家でご飯を3杯も食べたのだ
さすがに眠い

ふけるか・・・

一時限目の授業を終えて 保健室に行き腹痛を訴え
横にならせて貰った
初めて寝る保健室のベッド
布団に包まれた心地よさで堕ちるように眠りについた






「安達君 具合どう?」

横を向いた体制で起こされ 意識が戻る

「次の授業も出られそうにない?」

ガバッと身を起こして もう大丈夫です!と言いたいが
体に起こった変化が それをさせてくれない

「先生 あと一時間だけこのままで」

布団から出ようにも出られない
ギンギンに勃っていた
何でこんな時に・・・・
もう一眠りして 観念して出たのが4時限目
教室に戻ると誰も居ない
時間割を見ると体育で しかも今日はプールだ
あちゃぁ 本当にお腹が痛くなった

誰も居ない教室でテント張ったまま水着に着替えたが
一向に元に戻らない
勃起したまま 準備運動なども出来ようはずもなく
制服に着替え このまま教室で4時限目をさぼる事にした

自分の机に座り 両腕で作った枕に顔を乗せ
寝ようと試みるが 今度は目が冴えて寝るに寝れない
パンツの中は元気いっぱいだし
ほとほと困ってると やばい 本当にきた
腹がグルグルと催してきたのだ

トイレに到達するまでに教室を二つ横切らねばならない
クーラーもない教室の窓は当然のごとく全開なわけで
もう最悪な状況だ

小さな波は次第にそのサイクルを早め 大きな波が押し寄せてくる
このままではヤバイ 勃起どころの騒ぎではない
意を決して教室のドアを開け
廊下に四つん這いになって いざトイレに向かって
赤ちゃんのハイハイのようにゆっくりゆっくり前進する

教室の出入り口のドアは閉まってるが 窓は案の定開いている
全開の窓の下を忍者の様に壁にピッタリと沿ってハイハイをする
数学の授業だということが先生の声でわかる

何とか教室をひとつ越え もう少しでトイレなのだが
大きな波が何度も押し寄せてきて冷や汗が出てくる

この教室は英語だ ラジカセの手本に合わせ全員が復唱している
あと5Mというとこまで近づいた時に ハイハイスタイルの俺の背中にモノが飛んできた

時が止まった気がした

廊下にポトンと転がった物が目に入る
消しゴムだ
恐る恐る振り返り顔を上げると
啓輔が俺に気付いてニヤけていた

英文を復唱しながらこちらを見てニヤニヤしている
俺は咄嗟に 口に人差し指を当て啓輔を睨み付け
ビークワイエットのジェスチャーをしてみせた
先生に気付かれたくないのに 啓輔は馬鹿面を思い切りこちらに向け
じゃれあいたがってる様子だが 俺はそれどころではない
重大なミッションがあるのだ 失敗したら自殺ものだ
啓輔は後からゆっくり殺せばいい
今 目指すは便器だ 薄汚く汚れた白い便器
そうっTOTOの4文字っ!!






無事に用を済ませた俺は 帰りの難関にTRYするのを諦めた
啓輔のアホに再度ハイハイスタイルを見られるのは癪に障るからだ
そのままトイレの個室の中で
重大なミッションをものともせず 勢いの衰えないチンポを握り
せんずりして眠りにつかせてやった
仕上げに鼻もかみ 小便もし
出るものは涙以外 全部出してやった



トイレを出て教室には戻らず 屋上に上がる
直射日光を浴びながら 空手教室のチラシを片手に
昨夜の出来事を思い起こしていた

寝室でクソが継母に何をしたのか
何を壊してのあの音だったのか
継母が殴られていないだろうか
クソは今夜も帰ってくるのだろうか

いつかこの空手教室に申し込もうと
配達してる朝刊から抜き取り 生徒募集のチラシをポケットに忍ばせてあった

入会金 一万円(空手着込み)
会費 ニ千円(一回)

週3回行くとして年間約40万
新聞配達で稼いだお金とこれまで貯めてたお年玉なんかを合わせれば
1年以上は優に通える
清水の一番上の兄貴は柔道で父親を追い出したのだ
俺も あのクソにチカラで負けないよう空手を習おうと考えていた










放課後 部室に入って来た啓輔を速攻絞めてやった
半泣きになったのでやめてやったが
とんぴん(調子乗り)の度合いが過ぎた時は お灸をすえる
お灸をすえたのは今回が初めてじゃない 加減は心得ていた
仲のいい憎めい奴だ 本気では絞めない

啓輔を絞めた理由を清水や他の連中も聞いてきたが
軽くごまかした 思い出したくもない(笑)

期末試験が迫っている為 練習も早めに切り上げるよう
校内放送が流れる
本分である勉学に勤しまなければならない

オール3じゃ いい高校に入れないことくらい理解していた
空手も習いたいが 英数塾にも通ったほうがいいかも知れない
俺ら中学生にはハードルが次から次と用意されていた

高校なんてまだまだずっと先の話だと思っていたが
クラスの半数近くは高校受験に照準を合わせて塾に通っている

高校? 俺高校行くのか?
皆行ってるんだ 俺も行くんだろう
漠然としたイメージしか持てない

どこの高校に行きたいかね?と 新担任に聞かれたが
耳にする高校の名前のどれも実態が見えていない
何も見えていない
志望校は○○高校です と答えてる奴がいるなら
そいつは鳥で 俺は魚だ
全く別の生き物だ

久美さんは制服が可愛いからという理由で私立の女子高に進学し
中塚さんが進んだ高校は
名前を漢字で書けたら合格できるという噂の偏差値が底辺の工業高校
かつてその高校に 俺の兄も通っていた

三年の横山さんに高校の事を聞いてみた

「俺か? 俺は 専門学校に行く」
「何のですか?」

「美容師」
「そっか 横山さんとこって美容院やってるんでしたよね
家業を継ぐんですね」

「自分ところではやんねぇよ
大阪の学校行って大阪の美容院で働く」
「大阪?大阪行っちゃうんですか?」

「おうよ 大阪いいぞぉ いっぺんは行ってみろ」

大阪なんて 俺にとったらロンドンやニューヨークと同じくくりだ
いつも冗談ばかり言って 同級生からヤッシ(横山やすし)ヤッシと言われてる
この100M走がビリのキャプテンが 大きく見えた

















「清水 高校とかって決めてある?」
「全然っ 全く ち~っとも(笑)」

「そか」
「兄貴行ってる高校でえぇよ
ヒロも一緒に行こうや」

「そうだな それもいいな(笑)」
「ヒロ 成績はどうなん?」

「俺? 技術と体育以外はオール2(笑)」
「!!
うっそ 俺と同じやんかっ!!」

「うん 知ってた今朝兄貴から教えて貰った(笑)」
「・・・!!」

「汚ねぇ~っ 俺のだけ知ってて ヒロのも教えろ」

わき腹をつままれ 仰け反りながら
「オール3だ」と笑いながら教えた

「清水の兄貴に勉強みてやってくれって言われたけど
俺も誰かにみてもらいたい」
「啓輔は?」

「却下
俺らのグループに5はおらんな おっても4やぞ」
「誰が4?」

「憲」
「憲?」

「あいつ塾 通ってるしな」
「そうか 今から行くか」

「家知っとるん?」
「知っとる」






















清水は小石を拾い 二階の憲の部屋の窓ガラスに2~3個投げた
憲が窓から顔を出し 俺らと解るとトランクス一丁のまま表に出てきた

「憲 何しとったん?」

ニヤッと笑い憲が言った

「へへっ せんずり」

冗談だと思い 軽くあしらうと
本当にせんずりだと証明しようと
俺らに右手を匂わせる
まじだ 生々しい匂いがした

「げぇっ 臭っせぇ」

清水が大袈裟に言って三歩離れた

「ヒロ何? どしたん? ゲーセン? 花火? プール?」











期末試験の勉強をするようにと全校生徒が18時に消えた学校に舞い戻り
俺と清水と憲でプールのフェンスをよじ登る

今日の体育の授業に参加できなかった俺は憲の発したプールの言葉に
ビクンと脈を打ち プールに忍び込む案を採用した

職員室にはまだ明かりがついている
気付かれないよう静かに服を脱ぎ 俺と清水は水着を穿いた
が 憲が水着を持っていなかった
こんな時こそ友情だと 俺と清水も穿いた水着を勢いよく脱ぎ
三人でフルチンになる

波音を立てないよう 入水して 静かに平泳ぎをして泳ぐ
学校のプールをフルチンで泳ぐ開放感は極上だった

静かにしなければならない状況下ほど そんなものを破壊したくなるものだ
憲に水を顔にかけてやろうと近寄ると 楽しそうにひとりでニヤニヤしている
更に近づき射程圏内に納まった時 憲のニタリ顔は一段と口角をあげたので
「どした?」と聞いてみた

「チンポ洗ってたら ションベン出た」
「・・・・」

静かに速く 静かに速く 水面下でカルガモの足のように地面を蹴って憲から離れた
清水に憲の悪行を伝えようと近寄った時 ヤツは潜水した

何も知らないほうが シアワセだ

清水の為であり それが憲の為だ

知ってしまった水面下の悪行は 封印した

この日 気付いたことがある
不思議と憲の悪行を汚いと感じなかったのだ













コンビニの駐車場でアイスを口にしながら三人で向き合い
憲に家を訪ねた本当の狙いを話したところ
いとも簡単にあっさりと断られた

「何で?」

溶けて流れるアイスを舌で舐めとりながら憲が言った

「ダルい」

面食らった顔で清水と顔を見合わせた

この野郎 フルチンの友情を忘れたか!と言おうと思ったが
カチンときた俺は 憲に耳打ちしてそっと囁いた

「オッケェ~ 」














清水が憲に何を囁いたのかをしつこく聞いてくるが
本当の事を言ってしまうと清水は憲をボコボコにするだろう
それでは効力が消滅してしまう為 適当な嘘をでっちあげた

「せんずりしてたこと 親にばらすと脅したん」

清水が潜水した時 憲がチンポ洗ってションベンした後だったとは
第三者の俺でも実際 暴露するのは勇気がいる

明日 憲と口裏を合さないとだ(笑)
























誰も居ないはずのリビングに電気が点いている
雪駄も無いからクソも居ない筈
消し忘れかと思い 扉を開けると
継母が寝巻きのままテレビの前で横になっていた

「お帰りなさい」
「・・・うん ただいま」

「今日ね お休みしたの」
「そうなん 大丈夫?」

顔を確認したが傷はないようだ
汚れた体操着を洗濯機に入れ 部屋にカバンを置き
冷蔵庫から牛乳を出しグラスに注ぐ

「お継母さん 牛乳飲む?」
「うん コーヒーも入れてね」

平日のこの時間に継母がいるとは変な感じだった

昨夜の喧嘩が関係しているに違いないと思いながら
牛乳の入ったグラスにインスタントコーヒーを溶かした

「お腹空いたでしょ? 今日は何か出前とろうよ 何がいい?」
「銀龍飯店」






シャワーから出て 髪の毛をドライヤーで乾かしてると
ピンポーンとチャイムが鳴った

大好物の焼きそばを口に運ぶ

平日の出前は久しぶりだ

この人を お継母さんと呼べるようになって

少しずつではあったが この人を好きになっていった




誕生日やクリスマスには

店で見たこともない大きさのデコレーションケーキを買ってきてくれたり

ウォークマンが欲しいとリクエストすればプレゼントしてくれた

二度目の事故で 家から一時間以上もかかる遠い病院に俺が入院した時

退院するまでのひと月以上 毎日欠かす事無く看病に来てくれた
とても嬉しかった 自慢の母親役だった

継母には夜の同業者の友達に
和風スナックのママさんがいた
マンションでは飼えないコロをそのママにあげちゃ駄目?
と聞かれて すんなりOKしたのは
この人をガッカリさせたくないと思ってのことだった

継母になったこの女性は 俺にとってのお母さん役をこなしてくれていた

多趣味で 琴に三味線に長唄に日舞を嗜み

暇さえあれば和紙人形を作り ただで人にあげていた心優しいお継母さんが

食べ終わった皿を洗いながら 泣きながら呟いた








「ヒロくん・・・







お父さん出て行っちゃった」




















10) 咬めない牙 】へ続く


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<<08) 沈んだ太陽 浮かぶ月 | 新宿タワー~ゲイとノンケと時々オンナ~ | 10) 咬めない牙>>
この記事のコメント
俺の 読解力 乏しい…
どして 憲くんは 了解してくれたん?
せんずりしてたこと ばれるのが 
恥ずかしかったんけ? あぁ~ わからん…
にしても 凝縮しましたねw
下手したら 9ヶ月近くをw  お疲れ様です
2007-04-18 Wed 14:29 | URL | たく☆ #-[ 内容変更]
親がケンカしている声を布団の中で聞きながら、
心臓がドキドキして、
眠ろうとしても、どんどん目が冴えていって・・・・。

子どもが多感な時期に、
親の人生も、
ちょうどいっぱいいっぱいな時期なんだよなー。

ところどころに現れる、
やさしい人たちに、
その時のG@TENもそうだったように、
読んでる私も救われます。
2007-04-19 Thu 01:42 | URL | バシ #-[ 内容変更]
救われてる俺
~~~~~To.たく☆さん~~~~~

その感想で 追記しましたからw
是非 また 率直な感想などください

G@TEN

~~~~~To.バシさん~~~~~

そして 俺は そんなバシさんに救われています

G@TEN
2007-04-20 Fri 09:27 | URL | G@TEN #qNXjQhIg[ 内容変更]
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